環境・エネルギー技術
環境・エネルギー技術

石炭灰の用途拡大に関する研究

  • フライアッシュコンクリート構造物の耐久性研究

    公共工事で幅広く使用されている高炉セメントを用いたコンクリートは、通常のコンクリートに比べ耐塩害性が高く、FAを混和した場合にはさらに耐塩害性が高くなり、内部鉄筋の腐食を遅らせる効果があることが分かりました。これは、干満帯における屋外暴露試験により、高炉セメントにFAを混和したコンクリートは、組織がより緻密になり、塩化物イオンの浸透抵抗性が高くなることを物理・化学的な観点から確認したものです。このことから、構造物の維持管理費を低減し、ライフサイクルコストの低減に寄与できます。

    • 屋外暴露供試体の見かけの拡散係数と細孔径分布
  • 農業分野への利用に関する研究

    当社では、石炭火力発電所から発生する石炭灰について、農業への有効利用に関する研究を行っています。石炭灰のうち、比較的粒径の大きなクリンカアッシュについては、排水改良などの土壌物理性の改善効果に着目し、畑作持つの客土資材やイチゴなどの養液栽培培地、園芸作物などの育苗培土に有効であることを見だしており、実用化が進んでいます。また、粒径の小さなフライアッシュについても、その成分が植物の耐冷性や耐乾性などの環境耐性を高め、生育を促進させる作用があることを見だしており、現在イネを中心に実用化に向けた研究を進めています。

    • クリンカアッシュによるイチゴ養液栽培試験
    • フライアッシュによるイネ栽培試験
    • フライアッシュによるイネ育苗試験