αシリーズ

剥離抑制型弱溶剤変性エポキシ樹脂塗料

製品名「ケルビンα2.5」
(大日本塗料㈱)

優れた耐久性を有し、旧塗膜の剥離抑制や補修コストの大幅な抑制など、従来の塗料の概念を払拭する革新的なインフラ設備補修用塗料です。

国土交通省「新技術情報提供システム(NETIS)」登録済み
※技術名称:剥離抑制型防食塗料「αシリーズ」
登録No.SK-190005
http://www.netis.mlit.go.jp/NetisRev/Search/NtDetail1.asp?REG_NO=SK-190005

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開発の概要

構造物が温度変化によって寸法が変化する割合を「線膨張係数」といいます。
株式会社四国総合研究所は、平成23年度から線膨張係数を小さくした塗料の開発に着手し、線膨張係数を従来塗料の半分程度まで小さくすることで、従来の塗料とは異なり、塗り重ねにより厚膜になるほど剥離リスクが低減するという、これまでの常識では考えられなかった全く新しい特性を発見しました。

この特性を踏まえ、平成25年度から大手塗料メーカー3社[大日本塗料㈱、関西ペイント㈱、神東塗料㈱]と共同開発を開始し、外部の研究機関[(公財)鉄道総合技術研究所など]の協力のもと、高速道路や鉄道などインフラ設備の長寿命化に寄与する新型塗料を開発しました。
開発の概要

特長❶ 旧劣化塗膜の剥離を抑制

これまで繰り返し行ってきた補修塗装により、剥離リスクが高まった劣化塗膜の剥離を抑制します。

特長❷ 補修コストの大幅な低減

新型塗料で補修塗装することによって剥離リスクが低減されるため、劣化旧塗膜の除去時期を遅らせることが可能です。また、新型塗料による補修に変更することで、予防保全的に剥離リスクを低減することができます。

特長❸ 安価な施工

従来の補修工法と同様に、3種あるいは4種ケレンで塗装できます。塗装も、従来の変性エポキシ樹脂塗料と同様に、刷毛、ローラ、スプレー塗装が可能です。

特長❹ 高い耐久性

防食耐久性に優れており、従来の変性エポキシ塗料と同等以上の防食耐久性が得られます。

トピックス

(注1)弱溶剤とは
比較的溶解力の強いラッカーシンナーやエポキシシンナー、ウレタンシンナーなどを強溶剤というのに対して、溶解力の弱い塗料用シンナーを弱溶剤といいます。強溶剤の成分は、トルエン・キシレンなど芳香族炭化水素とエステル、ケトンなどで構成されるのに対して、弱溶剤は主に石油系炭化水素で構成され、灯油の成分に比較的近いなど、環境面においても影響が少ないシンナーです。

(注2)変性エポキシ樹脂塗料
屋外鋼構造物の防食塗装に使用される下塗り塗料で、橋梁や各種工場設備等に使用されています。 没水部に使用されるエポキシ樹脂塗料は遮断性に優れていますが、剥離応力が大きくなるのに対して、変性エポキシ樹脂塗料は樹脂を柔軟にして、剥離応力を低減する工夫がなされています。しかし、厚膜になると、応力が増大し、変性エポキシ樹脂塗料といえども、剥離リスクが高まる可能性はあります。

(注3)ケレンとは
塗装工事において、錆落としや脆弱な旧塗膜の除去を行う作業をいいます。3種ケレンとは、電動工具や手工具を活用して、活膜は残して錆や浮き塗膜を除去する手法であり、4種ケレンは研磨紙などを用いて粉化物や汚れなどを除去する手法をいいます。