設備運用・保全支援技術
設備運用・保全支援技術

設備運用・保全支援技術

低廉で良質な電力を安全かつ安定的に供給するために、発電設備や電力輸送設備について、数値流体解析技術、 低品位炭利用技術、劣化診断技術など、保守点検や運用管理の高度化・効率化及び電力設備の安定運転に必要な保全技術に関する研究を行っています。

火力発電設備

  • 数値流体解析技術を用いた火力発電所の運用保守支援研究

    火力発電所における風道系統、排ガス処理系統、燃料供給系統、給水系統など流体を扱う系統の改善にCFD(Computational Fluid Dynamics:数値流体力学)シミュレーション技術を活用しています。

    数値流体解析技術を用いた火力発電所の運用保守支援研究
  • 環境保全設備の性能管理技術の開発

    火力発電所の排煙処理装置など環境保全設備を低コストかつ高性能に維持管理するため、各種の性能評価試験や高度な機器分析を行い、ユーザーサイドの目線で、より良い管理技術を提案しております。

    環境保全設備の性能管理技術の開発
  • ボイラ給水処理の高度化研究

    火力発電所のボイラ給水の水質管理は、水質等に起因する様々な障害を未然に防止する重要な技術です。水質管理技術の高度化を目指し、復水脱塩装置イオン交換樹脂の性能評価試験、各種材料の腐食試験評価 などを実施しています。また、ヒドラジンを 用いない新しい給水処理方法の適用研究などを実施しています。

    ボイラ給水処理の高度化研究
  • 化学管理の高度化研究

    火力・原子力発電所の化学管理の高度化を目指し、以下の研究を実施しています。

    化学管理の高度化研究
  • ガス微量成分測定装置の開発

    可搬型NH3測定装置の開発

    ガス微量成分測定装置の開発

原子力発電設備

  • 設備の健全性評価に関する研究

    鉄鋼材料や溶接部について、材料試験、分析・材質試験、非破壊試験などの動向を調査し、有望な要素技術を導入・改良しています。発電所の各種部材の材料特性評価、余寿命評価、損耗調査などに関する課題解決に、迅速に対応しています。

    設備の健全性評価に関する研究
  • 機器・配管系の耐震評価技術の研究

    原子力発電所の耐震設計は技術規定(JEAC4601)をもとに行われますが、計算手順が複雑な部分があるため、タンクを対象に、固有振動数、応力計算、座屈計算などを行える耐震計算ツールを開発しました。これにより、胴、脚、ボルトなどの健全性を迅速に評価することができます。

    機器・配管系の耐震評価技術の研究
  • 超音波利用技術に関する研究

    超音波を利用した配管やタンク等の密封厚肉容器内の液位を外部から高精度に測定する装置や、最新の高度UT(超音波深傷試験)技術を利用したステンレス鋳鋼配管等への適用技術の開発を進めています。

    超音波利用技術に関する研究
  • 電磁応用非破壊検査技術に関する研究

    原子炉下部から燃料集合体に挿入されているシンブルチューブ(中性子束センサの通路)の健全性確認のためのECT(渦流探傷検査)システムや画像・温度監視装置、およびシンブルチューブを燃料取替時に安全に引抜・挿入する装置を高機能化しています。

    電磁応用非破壊検査技術に関する研究
  • 設備保全技術等の最適化研究

    電動弁は原子力発電所の安全性確保に極めて重要な機器です。弁の正確な開閉動作ができないと冷却など十分な効果が得られません。例えば、過大な力により弁棒が折損する事例や、駆動力不足により弁体が引き抜けない海外事例などがあるため、弁は適正な力で開閉する必要があります。

    設備保全技術等の最適化研究
  • 状態監視保全技術の高度化研究

    ポンプ、ファン等の回転機器の振動データから、回転機器主軸のクラックを早期に検出する手法を検討して、「回転機器振動測定装置」および「振動ベクトル解析ツール」を開発し、高精度化を進めています。

    状態監視保全技術の高度化研究
  • 試験等の自主技術化・代替技術開発

    各種機能検査データの測定・解析作業を省力化できる自動解析装置を実用化し、さらに高度化を図っています。

    試験等の自主技術化・代替技術開発
  • 運転・保守支援技術の高度化研究

    運転シミュレータ訓練時における温度、圧力、ボイド率等の熱水力挙動やポンプ類の流量、弁の開閉状態、各機器の水位などを可視化してアニメーション表示することにより、プラントの挙動に対する理解を深め、事故対応能力の向上を図るシステムを開発しています。

    運転・保守支援技術の高度化研究

電力輸送・水力発電設備

  • 送電設備の運用・保守技術

    送電設備は、風・雷・雪氷・地震・鳥獣害など、様々な自然現象の影響を直接受けることから、これらの影響度を的確に分析・評価し、有効な対策を講じる必要があります。

    送電設備の運用・保守技術
  • 変電設備の保全・余寿命診断技術

    変電設備では、雷・大地震等による被害に対して設備の早期復旧や、点検・劣化診断による機器の状態把握が課題となっています。

    変電設備の保全・余寿命診断技術
  • 配電設備の運用・保守技術

    配電設備は、分散型電源の大量導入により電圧管理が難しくなっており、また高経年化設備にも適切に対応していく必要があります。このため、配電設備の運用技術や保全技術の向上に取り組んでいます。

    配電設備の運用・保守技術
  • 水力土木設備の合理的な計測管理に関する研究

    ダムの安全管理は、日常の巡視・点検と漏水量や変位計測により行われています。本研究では、アーチ式、中空重力、重力式コンクリートダムの変位を、日常観測している気温、貯水位から簡易に推定し、ダムの健全性を早期に評価できるようにするものです

    水力土木設備の合理的な計測管理に関する研究

設備保全支援共通技術

  • 有機ライニング防食技術の開発・実用化

    ステンレス鋼材は耐食性に優れるなど、維持管理上の大きな利点を有する反面、塩化物イオンの存在、応力作用など、幾つかの悪条件が重なれば、応力腐食割れ(以下、SCCと略記)を生じやすくなります。

    有機ライニング防食技術の開発・実用化
  • 鉄筋コンクリート構造物の健全性評価に関する研究

    我が国の社会資本は、戦後から高度経済成長期を通じて急速に整備され、今後一斉に補修や更新の時期を迎えると言われています。メンテナンスフリーと考えられてきた鉄筋コンクリート構造物も例外ではありません。このような背景を踏まえ、現在、塩害やアルカリ骨材反応等による劣化を受けるコンクリート構造物の健全性評価に関して、次のような研究に取り組んでおります。

    鉄筋コンクリート構造物の健全性評価に関する研究
  • 高温超電導SQUIDを用いた電力設備非破壊診断技術

    SQUID(超電導量子干渉素子)は、地磁気の10億分の1程度の微弱な磁気を検出できる高感度な磁気センサです。その応用として、医療分野の脳磁計や心磁計等がよく知られており、近年、食物・薬品の異物検査装置が実用化されています。

    高温超電導SQUIDを用いた電力設備非破壊診断技術
  • 水素火炎・ガス可視化装置の研究開発

    肉眼では見えない水素火炎や各種ガスを、レーザ技術及び画像処理技術を用いて遠隔から可視化・計測する研究開発を行っており、30m先の水素火炎・水素ガスを画像として捉えることに成功しました。

    水素火炎・ガス可視化装置の研究開発
  • 地震発生後の建物被害推定に関する研究

    2011年に発生した東北地方太平洋沖地震においては、東日本の広い範囲で大きな揺れが観測されました。近い将来の発生が予想される南海トラフを震源とする地震の際にも、広範囲で強い揺れの発生することが懸念されています。

    地震発生後の建物被害推定に関する研究
  • 地震・火山評価に関する研究

    自然災害リスクへ対応するため、地震・火山などの自然事象そのものを解明するための基礎研究や、地震時における地盤・構造物の合理的な地震応答解析手法の研究、さらには地震発生時における建物の被害推定の研究を進めています。

    地震・火山評価に関する研究